【写真】名護市・辺野古キャンプシュワブの海兵隊員は自治会11班として清掃活動や運動会に参加するなど、辺野古地元住民との信頼関係構築の努力を続けてきた。

 

 国政選挙にも匹敵する重要な選挙が間近に迫っています。2月4日投開票の、沖縄県名護市長選挙です。

 名護市は人口6万人で、決して大きな都市ではありません。しかし米普天間飛行場の移設先である辺野古が位置する市として、全国的に注目されています。

 市長選では移設を進めたい政府側と、なんとしてでも阻止したい翁長陣営とが真っ向から対決します。自民党は昨年末から菅義偉官房長官や二階俊博幹事長ら大物を送り、支援態勢を固めてきました。

 

 一方の翁長陣営では、全国の左派系プロ市民らが続々と現地入りし、地元を練り歩いているといわれます。名護市長選は、まさに日本の安全保障の命運をかけた決戦といえるでしょう。

 翁長陣営の候補者は、現市長の稲嶺進氏(社民、共産、社大、自由、民進が推薦)です。出馬表明では「あらゆる権限や手段を行使し、…辺野古新基地建設を断固阻止する」と宣言しました。4年前の選挙では、自民の候補者に4千票の大差をつけて圧勝しています。

 対するは、元自民系市議の渡具知武豊(とぐちたけとよ)氏です。移設容認の立場ですが、今回の市長選では持論を封印し、子育てや教育支援の充実を強調しています。

 

 昨秋の調査では、渡具知氏の支持率は稲嶺氏の半分程度でした。しかし最近の調査では、わずか4ポイント差まで詰め寄っています。4年前は自主投票にまわった公明の支持取り付けに成功したのも大きいといわれます。今はどちらに転んでもおかしくない状況です。

 自民が逆転に成功すれば、翁長氏は致命的なダメージを負うことになるでしょう。何しろ移設先の市民が「移設賛成」を表明することになるのです。「オール沖縄」の虚構が全国に晒されることになるでしょう。闘争は実質的に終局し、秋の知事選にも大きな影響を与えるはずです。

 

 辺野古への基地移設は、安全保障上の観点からも県民の安全確保の観点からも、基地問題の唯一の解決策です。翁長氏は左翼勢力の支援を背景に、「基地=悪」とのイデオロギーを前面に出し、政府との対決姿勢を貫いていますが、理屈がまったく通りません。闘争は初めから無理筋だったのです。

 

※地元住民からは、現職の稲嶺市政に対し、「8年間で名護市は暗くなった。稲嶺氏は辺野古に基地を造らせないと言うだけで、経済や地元振興は置き去りにされてきた」との不満の声が聞こえてくるという。

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