世界思想8月号を刊行。今号の特集は「病める『国連』への処方箋」です。
以下、巻頭文「共産独裁打倒の信念を貫け」をご紹介します。

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韓国紙「朝鮮日報」の記事で、かつての松下村塾と現代の安倍外交を高く評価

 6月下旬、日本に永らく住んでいる韓国の友人と会った。彼曰く、「数日前、朝鮮日報の記事で読んだが、山口の萩の小さい塾出身の若者たちが明治維新を成し遂げたとのこと。伊藤博文もそうだし、日本はすごいんですね」と。

 その記事をスマホに送ってもらい読んでみた。その文章には、日本が韓国を侵略したとか、現在の日本の右傾化とか、日本に対する批判の言葉もちりばめられていたが、大意は日本を評価するものであった。

 内容は、明治維新の志士たちの故郷であった山口県萩にある松下村塾跡を訪れ、吉田松陰はどのような人生を送ったのか、いかなる考えを持ち塾を立ち上げ、何を教えたのか、また塾生たちは何をしていたのか等を調べて記したものであった。

 当時、西洋列強が植民地化を進める中で、日本だけが西洋の文物を取り入れ近代化に成功した。韓国、中国は、その日本の支配を受けた。なぜ日本だけが成功したのか。その陰に、そのような侍たちがいたと、驚愕の心象を持って書いたように感じられる。いわば、韓国には彼ら如き人物がいなかったと暗に主張しているのだ。

 そして、明治維新の時代と今は類似しているのではないか。韓国は、中国からはいじめられ、米国からも強い要求をつきつけられ、主体性を持てないままでいる。それに比べ、同じ山口県出身の安倍晋三総理は、米国に対しても中国に対しても堂々と対していると言わんばかりの文意なのである。

安倍首相の外交采配が的確なのは「共産主義の脅威への理解」がベースにあるからだ

 正直言って驚いた。韓国では日本に厳しい文在寅政権が誕生し、「慰安婦合意問題」も蒸し返しているような政情の中で、韓国を代表する朝鮮日報にこのような記事が掲載されるとは。 

 5月にイタリアで開催された先進7カ国(G7)首脳会議の席上で、「中国は北朝鮮に対する制裁を良くやっている」とのトランプ米大統領の発言に対し、安倍総理のみが、「そうではない。中国の北への制裁は不十分である」と直ちに反論した。両首脳はその後論争したらしい。結局、安倍氏の見解が正しかったということは、その後の展開で判断できる。

 6月下旬になって、トランプ氏は、「中国の対応は不十分だ」と中国批判を強めるようになった。そして、中国遼寧省丹東市で北朝鮮と取引している貿易会社やその経営者の男らが、弾道ミサイルの誘導システムに転用可能なナビゲーション装置などを北朝鮮に輸出したということで、米政府は、それらの企業や個人に金融制裁の発動を決定した。

 安倍氏が米国や中国に対し、強く出れる背景は何か。それは、共産主義が悪であるということを明確に理解しているからであろう。まさに祖父である岸信介元総理のDNAの所以であろう。韓国メディア人は、この点をはっきり知る必要がある。

 また安倍氏においても、逆風の中であればこそ、中国に代表される共産主義独裁体制を崩壊させるため、自信を持って「地球儀俯瞰外交」を強化して頂きたい。米国に対しても韓国に対しても、今までどおりはっきりものを言って頂きたいと願うのは筆者だけではあるまい。

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