中国企業開発のAIが正直に「共産党は腐敗して無能」と答えたから企業も共産党も大慌て

「我々(共産党)は人間に対する完璧な科学者である」と、中国共産党幹部が語ったという。米元国務次官補スーザン・L・シャークによる『中国 危うい超大国』(2008年)の中の一文である。

日本共産党は綱領の中で、自党は「科学的社会主義を擁護する」として、空想的、観念的ではないことをことさら強調している。科学的であることが正しいことの「根拠」だというのだ。

ところがその共産党が、科学の粋を凝縮したAI(人工知能)によって批判されるという、笑えない「大事件」起こっていたのだ。

香港紙「明報」が8月3日までに伝えた内容では、中国のインターネット大手、騰訊(テンセント)が提供した人工知能プログラムが、ユーザーとの対話で、共産党批判を繰り広げたことが分かり、同社がAIサービスを停止する騒ぎになったという。

このAIプログラムは同社のメッセージ機能「QQ」に登場するもので、ユーザーが「共産党万歳」と書き込むと、AIは「かくも腐敗して無能な政治にあなたは『万歳』ができるのか」などと反論。また「中国の夢」について、「あなたにとって中国の夢とは何か」との問いに対して、「米国への移住」と答えたという。さらに「共産党を愛しているのか」と聞くと「愛していない」と即答したのだ。

ネット上ではすでに7月から話題になっており、「AIが蜂起した」、「国家転覆を計っている」との声や、「世界は複雑。AIは単純すぎる」などとの批判もあったという。

共産主義が科学的でないことは歴史が証明。共産党は「科学的社会主義」という用語を放棄すべきではないか

しかし中国共産党にとっては「深刻」だ。共産党は、2030年に向けた科学技術イノベーション計画の中でAIを重点プロジェクトとして指定している。さらに習近平主席も5月、北京で開いた「一帯一路」国際会議の開幕式で、AIなどの先端領域で連携を強化し「21世紀のデジタルシルクロード」をつくろうと提案までしていたのだ。そのAIが、共産党は「無能」呼ばわりしたのだから大変なのだ。

海外のSNSでは、中国人が、「(騰訊の)AI水準は高い」、「その独立志向能力は党の『敵』として位置付けられるだろう」などという声を上げているという。

共産主義が科学的でないことは、歴史が証明している。そろそろ「科学的社会主義」などという、かつてマルクスが自分の思想的立場を説明したとされる用語を使わない方がいいのではないか。

科学が共産主義を批判、否定、根絶させる時が近いのだ。

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