「世界思想」3月号を刊行しました。
今号の特集は「衆院選2026 自民圧勝が意味するもの」です。
ここでは特集記事からPrt3 「「戦後レジーム」脱却し、日本の将来を見据えよ」を
ご紹介します。
「国の理想の姿を物語るのは憲法だ」
歴史的大勝の一夜明けた2月9日の記者会見で、高市早苗首相は総選挙の総括と今後の取組みに言及した。「日本列島を強く豊かに」をスローガンに消費税減税と手取りを増やす政策は、ほとんど他政党も共通に主張した内容で、経済政策はむしろ争点になりにくかった。具体的な経済財政政策の構想としては、低中所得者向けに「給付付き税額控除制度」導入と、食品について消費税を2年間免除とするスキームを野党も参加して設置する「国民会議」で検討すると提唱。
自維連立与党が掲げるのは、「責任ある積極財政」の他に、安全保障の抜本的強化、インテリジェンス機能の強化という「重要な政策転換」を自維連立政権として進めるべきかを国民の審判に諮ること、その民意としての認否に首相として進退を賭けると退路を断つことを宣言していた。その結果としての与党352議席は、国民から「政策転換」をやり抜けとの背中を押されたと高市氏は語った。
ただし、選挙とは関係のなかった参議院では与党で過半数割れにあり、政策実現に前向きな野党との協力を求めていくとした。
また、外交政策として安倍晋三元首相が提唱して今年で10年の節目に当たる「自由で開かれたインド太平洋戦略」(FOIP)の深化を標榜することを宣言した。インテリジェンス機能の強化については、国家としての情報分析能力を高め、危機を未然に防ぎ国益を戦略的に守る体制として「国家情報局」の設置と外国からの日本への投資の安保上の審査体制を強化する「対日外国投資委員会」を設置するとした。
国防に関しては、ウクライナ戦争で急速に発達した無人機運用など新たな戦術への対応など、戦略3文書の前倒し改定し、「自らの国を自らの手で守る、覚悟なき国を誰も助けてくれない。我が国の領土と国民を守り抜いていく」と強調。
さらに、高市氏は「国の理想の姿を物語るのは憲法だ。この国の未来をしっかりと見据えながら、憲法改正に向けた挑戦も進めていく」と、憲法改正を第2次内閣の政策の柱に据えて取り組むことを明言。「安全で豊かな国として世界から仰ぎ見られる日本、誇りを感じらる国に造る上げ未来の世代に引き渡す挑戦だ」と力説した。
「自分の国は自分の手で守る」とは至極当たり前のフレーズに聞こえるが、戦後80年間、それは連合国(特に米国)軍の占領下で半ば強要された現行憲法下で、安全保障を米軍駐留に丸投げしていた矛盾に気づき、今や日米双方で憲法改正を当然と支持する機運が主流となりつつあるのだ。それはまた、安倍晋三元首相が標榜した「戦後レジームからの脱却」をも意味する。実際、銃撃前の2022年4月、憲法を考えるシンポジウムで安倍氏は「ウクライナの現状は憲法の問題点に多くの国民が気づかせた」「今こそ自民党が憲法を議論し、特に戦後レジームの中核9条の議論を」と発言していた。


