世界思想12月号を刊行しました。今号の特集は「世界史の大転換~激動の世界に求められるビジョンとは~」です。
ここでは特集記事の一部 「問われる宗教の役割」 についてご紹介します。
あらゆる宗教にとって平和は基本理念の柱だ。個人の平和を礎に、家庭、国家、世界の平和に至るべきことが強調される。その核心的価値は他者への愛、仁、恕(おもいやり)などである。
しかし現実はそうなってはいない。過去も現在も、このままでは未来も、との思いに駆られる。
人間の歴史を振り返れば、最も残忍な戦争は国家間の戦争ではなく人種間の戦争だったといえよう。なかでも宗教を前面に出した人種間の戦争は悲惨である。