世界思想4月号を刊行しました。  巻頭言「満点だった日米首脳会談」をご紹介します。

金正男殺害は北朝鮮国家当局の犯行。マレーシア等、国交の見直し進む。

今回の金正男殺害事件でマレーシア警察の捜査当局は、死因は猛毒「VⅩ」と発表した。実行犯のべトナム人とインドネシア人の2人の女性の他、既に逮捕済みのリ・ジョンチョル容疑者、北朝鮮に帰国した4人の男性、また出頭を要請されている在マレーンア北朝鮮大使館2等書記官他2人等から判断すると、北朝鮮国家当局の犯行であったことは、ますます疑う余地がなくなった。

北朝鮮政府の理不尽な態度にマレーシア政府は、駐北朝鮮マレーシア大使を帰国させる強硬措置をとった。北朝鮮と国交を結んでいる国は、東南アジアではマレーシア、シンガポール、べトナム、インドネシア、タイ、カンボジアと多いが、このうちシンガポールは、北朝鮮の核実験、ミサイル発射に反発してビザなし入国は禁止した。

マレーシアのみが北朝鮮に対してビザなし入国を認めていたが、今回の事件で最悪の場合、国交断絶の可能性も否定できない。べトナム、インドネシアも事件を受けどう判断するか微妙なところである。その他の国々にも影響が及ぶことは必至であり、北朝鮮の外交的孤立化が顕著になってきた。

北朝鮮は安倍晋三総理・トランプ米大統領会談中に弾道ミサイルを発射。

その北朝鮮は、ちょうど安倍晋三総理がトランプ米大統領と会談中の2月12日、中距離弾道ミサイルを発射。両首脳は直ちに記者会見で北朝鮮を非難。中国もついに、北朝鮮からの石炭輸入を2月19日から年末まで停止すると発表した。

表向きは、昨年9月の北朝鮮5回目の核実験強行を受けて国連安保理事会が11月に決定した制裁決議に基づくとするが、12日のミサイル発射、13日の金正男殺害と関連しているとの見方が強い。

昨年中国は北朝鮮から11億8000万ドルの石炭を輸入。これがなくなると北朝鮮の外貨獲得の道は厳しくなる。それ以上にこの措置は北朝鮮と中国の関係が極度に悪化してきていることを示唆している。韓国の政治状況も気になるが、中国と北朝鮮との関係が冷却すればするほど、朝鮮半島の西側主導による続一の可能性が出てくるだけに、今後の日米の連携がますます重要となる。

不安定感増す朝鮮半島情勢・中国問題。日本の役割が益々重要に。

その意味で、安倍氏の米国訪問、トランプ氏との親密な関係構築、また前述したフロリダのトランプ氏別荘での両首脳会談中の北朝鮮のミサイル発射は、北朝鮮の意図はともかく極めて重要な「役割」を果たしたといえるだろう。

詳細は両首脳の胸に秘めていることであろうが、北のミサイル発射をきっかけとして、安倍氏から北朝鮮情報、日本人拉致問題、韓国状況、日韓関係、さらには中国と北朝鮮との関係等、より深い話がなされたはずである。それらを含んだトランプ氏の「日本を100%支持する」との発言であろう。

米国大続領が、中国、北朝鮮、韓国そして日本の東アジア情勢と今後の在り方を正しく把握することと、日本の役割が何よりも重要度を増していくことを鑑みれば、安倍氏の米国訪問に100点満点をつけたいのは筆者だけではあるまい。

< 4月号 巻頭言「羅針盤」より > 

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